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【怖い話】おかあさーん!あかあさーーん!!

2016年10月29日

『全国の怖い話シリーズ』 福岡の怖い話 『臨死体験(福津市津屋崎)』濱 幸成

-恐ろし屋厳選怖い話-
~恐ろし屋 怖い話シリーズ~
「臨死体験(福津市津屋崎)」
著書:濱 幸成
この話は、筆者の友人のお母さん、エミさんの体験談。
昭和31年のこと、当時9歳だったエミさんは、家族で津屋崎の海水浴場に遊びに来ていた。
最初は両親と一緒に遊んでいたのだが、両親が陸に上がり休憩しているうちに、エミさんは1人で浮輪も付けずに泳ぎ出した。
しばらく泳いでいると、急にものすごい力で海中に体を引きずり込まれ、そのまま沖まで流されていく。
離岸流だ。
まだ体の小さいエミさんは、必死に抵抗するも虚しく、意識がどんどん遠のいていった。
それを近くで見ていた大人が、数人がかりで救助に向かう。
死なせてなるものかと、懸命な救助活動により、なんとか砂浜まで引き上げられた。
だが、エミさんの意識は戻らず 救急車で病院まで搬送された。
病院に運ばれた日の夜、両親は意識の戻らない我が子が心配でしょうがなく、そのまま病院で憔悴しきって朝を迎えた。
次の日になってもエミさんの意識が戻る様子はない、集まった親族に促されて、両親は一旦自宅に帰ることになった。
自宅に帰った両親は、仏壇に向かってひたすら手を合わせた。
(私達より若いあの子を、まだそっちには行かせないでください。お願いします。お願いします……)
そうして、その日も容体が変わることはなく1日が終わった。
その頃エミさんは夢のようなものを見ていた。
綺麗な花畑の中に立っており、なぜか自分の体がキラキラと光っている。
(ここどこやろう?)
なぜ自分がこんなところにいるのか全くわからなかったが、とりあえず花畑の中を進んでいった。
周りには誰もおらず、不安が襲ってくる。
(なんで私こんなところにおると?)
進むにつれて不安も増してくる。
それでも歩き続けると、先の方から川の流れる音が聞こえてきた。
川の方に歩いて行くと、やがて浅瀬が見えてくる。
相変わらずあたりには誰もいない。
「おかあさーん!助けてー!おかあさーーーん!」
どうしていいかわからなくなったエミさんは、泣きながら母を呼び続けた。
その頃、母親はひたすら仏壇に向って、我が子の帰りを祈り、手を合わせていた。
すると、仏壇から声が聞こえてくる。
「おかあさーん!助けてー!おかあさーーーん!」
「エミ?エミなの?どこにいるの!?」
姿は見えないが、仏壇からひたすら助けを呼ぶ声が聞こえてくる。
そこで目が覚めた。 夢だった。
机に突っ伏したまま寝てしまっており、気付いた時には事故から3日目の朝になっていた。
(あの子が呼んでる)
そう感じた母親は、いてもたってもいられなくなり、すぐに病院へと向かった。
その日、3日目になってエミさんは奇跡的に目を覚ました。
この事故は、当時新聞にも載ったという。
それから数年後、エミさんはテレビか何かで三途の川という概念を知ったそうだ。
事故当時は9歳だったため、三途の川なんてものは知らなかったという。
-終-
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1989年生まれ。日本全国の心霊スポットを車中泊しながら回った心霊スポッター。小学生時代よりオカルトに興味を持ち、怪談書物を読み漁り、自身も怪談収集をライフワークとする。現在は世界...
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