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残念なことに反省生活を送らないといけなくなってしまった結果…

2016年10月28日

『魔界ぐるぐる巡り どんぶらこ編』 子供のお部屋編⑦―反省生活-前編-餌食姫

-恐ろし屋厳選怖い話-
~恐ろし屋 怖い話シリーズ~
魔界ぐるぐる巡り どんぶらこ編より「子供のお部屋編⑦―反省生活-前編-」
私と美加子は、さっそくみんなから少し距離をとった所に席を移動させられました。
誰とも話せないので、先生が席をはずした時しかみんなと話せませんでした。先生がどこかへ行くと沙希が

「どうしたのよ?!何やらかしちゃったの?」

と聞いてきたけど、私は

「わからんよ、どうしよう…あはは」

としか返せませんでした。いや、理由がアホすぎて言いたくありませんでした。
美加子は小声で

「ごめん~!!!まじごめん~!!」

って言ってきましたが私も

「ばれちゃったねえ。へへ」

と返す適当な子だったのであまり気にしていませんでした。
“反省生活”とはルールを守れなかった者に罰として行わせるものです。
ルールはもうあまり覚えていませんが、人の悪口を言わない、食事は残さず食べる事、自分の事は自分でやる事、9時には就寝する、早起きする、男子との会話、交流等は一切禁止、みたいな感じだったと思います。
これは常々廊下の壁にでっかく貼られていました。
なので私と美加子は男子と交流、の罪になったのでしょう。

私はただでさえ運悪くこんなとこに来てしまったのにさらに自ら反省生活なんてアホすぎる、と自分の自業自得さと残念さにがっくりしてました。

反省生活中は自由時間もなく、ただひたすら先生の机の横でお勉強でした。
寝る時は教室の机を後ろに追いやって床の上に布団を敷いて寝ます。
美加子と私の間にはパーテーションが置かれていたのですこぶる寂しさでした。
何よりつらかったのが毎日の体育館100周の刑でしたね。先生がカウントを持って監視してる中で行われるものです。

体育館と言っても保護所のそれは学校のプールぐらいのミニサイズでしたが、それでも100周はきつい。
美加子は細かったから走っててもタッタッタッと音もなく身軽でしたが、私は日々の大盛りごはんを食べていたせいかはぁはぁするしドスドス響くしひいこら言って走ってたので、気まずいし本気で苦しい思いをしました。
こんな感じで無駄に長く感じた1週間でしたが、なんとか反省生活は終わりました。

感想。
ただただむなしく、その上孤独感が常にまとわり付くものなので二度とやりたくないと思いました。
こうしてこれを機に私と美加子はルールはきっちり守らねばいけないのだな、としみじみ身にしみながら学んだのです。しかし美加子は、その後さらにとんでもない事になってしまうのでした。

反省生活が終わり、ある日の授業中でした。
その日、教室にいつもの先生がいなくて新人の若い男の教育実習生が代わりに授業を見ることになりました。年の頃はまだ20そこそこで、まじめで大人しい学生という感じの人でした。

「それじゃ各自の学習を始めて、わからない事があれば聞きに来て下さい…」

実習生は挨拶もそこそこに、それだけ言うとさっさと自分の席に付き資料のような物を広げて読み始めました。
みんな最初のうちは静かだったのですが、先生がずっと下を向いているので、授業中厳禁のおしゃべりをはじめる子が出始めました。

ところが実習生の先生は資料に没頭しているのか、まるでわれ関せずの様子でした。やがて先生が何も注意しないのをいい事に女の子たちは大胆におしゃべりをし始め、とうとうその授業は雑談大会のようになってしまいました。
美加子も私に話しかけてきました。

「えじきさん、もし退所したら何を1番にしたいですか?」

「うーん、何だろう…とりあえずホラーマンガ読みまくってお菓子食いながら夜更かしする事かな」

「えー?何すかそれ、あたしはまず大好きなLARKを吸いながら原付を直結して走りまくりますね」

と笑顔で話しました。「原付を直結」が、ようするに「バイクを盗む」ということぐらいは私にもわかりましたので、美加子に小声で言いました。

「おいおい、ちょっとその話は先生いるからやばいでしょ!」

美加子はちらっと実習生の先生を見ながら

「あ?大丈夫っすよ、聞いてないですもん」

と全く気にしませんでした。

ejikihime
ホラー映画と漫画とハロプロとウサハナが好きな変態です。体験手記『魔界ぐるぐる巡り』を模索舎さまにて販売させて頂いてます☆普段はオカメインコと暮らしながら時々呪みちる先生のお仕事の...
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